民法 第96条第2項


(詐欺又は強迫) ※ 本条解説へ移動する
第96条第2項

 相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知り、又は知ることができたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。

民法 第一編 第五章 法律行為 条文一覧








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以下、解説です。


【民法96条2項解説】

意思表示が第三者による詐欺の結果として行われた意思表示の場合、取引の相手方が詐欺による意思表示であることを知っていたか、または知ることができた場合に限り取り消すことができます。
つまり、取引の相手方は善意無過失の場合にのみ保護されることになります。

本条文は表意者の保護のための規定ですが、どんな場合にも取り消すことができるとすれば何も知らずに法律関係に入ってきた相手方の取引の安全が阻害されるため、善意無過失の相手方のみ保護するとしました。
一方、相手方が善意である場合だけでなく少し注意すれば知ることができたような過失がある場合には、原則通り表意者を保護することにしています。

本項の「第三者」とは、表意者及び取引の相手方以外の者で詐欺をした者のことをいいます。

なお、本項では96条1項に規定されていた強迫については定められていません。
したがって、第三者により強迫が行われた場合、相手方は善意無過失であっても保護されないと解することができ、表意者は96条1項で意思表示を取り消すことができます。

 

2021年3月22日 ご執筆U様
(※ 解説内容は、執筆当時の情報をもとにしております)

One thought on “民法 第96条第2項

  1. 鈴木 より:

    取引において効果意思と表示行為がしっかりと一致し、表意者が守られるようにするのは当然ですが、無制限にそれを認めると取引の安全が害されます。
    条文だけを眺めると難しいように思えますが、意味を咀嚼してみると非常に理に適った内容ですね。

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