和解(示談)にするか判決にするか


お客様にはトラブルの相手方に対して「すぐに訴訟を起こしてほしい。」と言われる方がいらっしゃいます。
弁護士のところに相談にいらっしゃっているので、自分ではらちが明かない、判決を裁判所に求めたい、というお考えは私たちとしても十分に理解できます。

しかし、考えなければならないのは、判決をとることで、相談者の方の最終的な目的が達成されるのか、という点になります。
判決で勝訴判決を得られれば、「被告は原告に対し金●●円を支払え。」という判決を得ることができます。
もっとも、判決を得ても、原告側が被告の預金口座や被告所有の不動産を把握していないとすぐに差し押さえはかけられません。また、不動産についても銀行の抵当権などが入っていると勝手に競売にかけることもできません。

また、交渉を経ずに訴訟を提起することは、裁判所に対する心証という意味でもあまりお勧めはできないと思います。

訴訟ではなく、交渉の示談で終わることのメリットは、任意での支払いに相手方が応じるため、自発的な支払いが期待できることにあります。
また、訴訟を提起した場合にも7~8割の事件は訴訟上の和解で決着する、というのが弁護士として働いている心証です。
弁護士費用や印紙代などの費用をかけてでも、訴訟提起するメリットは、和解においても、裁判所の心証を踏まえた和解が行われるため、当事者同士(弁護士を交えたものも含め)の交渉ではらちが明かなかったとしても、判決を踏まえた和解が実施できる点にあります。
この和解でも相手方(被告)の任意の支払が期待できるという点では変わりません。
もっとも、いずれにしても、和解(示談)で決着する場合には、互譲といって、お互いに譲り合う面が必要とされるため、要求額満額での決着となると難しい面があります。
感情的にしっかりとした判決が欲しい、ということであれば、我々弁護士としても、訴訟提起の上、判決を得ることを選択肢として排除はしませんが、判決を得ても、情報開示手続や財産開示手続等の手続をとる必要があるかもしれませんし、それでも空振りの可能性があることはご理解いただく必要があります。
また、判決が出されるということは控訴や上告という可能性も残されるため終局的な解決、という意味では時間や上訴審での弁護士費用や印紙代などの費用面も考慮いただく必要があります。

場面場面ではありますが、弁護士の意見を聞いていただいた上で、適切なご判断をいただく必要があると思います。

 

2021年5月4日 ご執筆c様
(※ 掲載内容は、執筆当時の情報をもとにしております)

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