弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その22~

請求認諾について~森友問題の国の対応~


森友学園問題で文書の改ざんがなされ、最終的に元近畿財務局職員の赤木俊夫さん自殺された事件で、赤木さんの奥様が国に対し、文書の改ざんの強要、虚偽の証言の強要等が赤木さんを精神的に追い詰め、自殺に至ったのだとして、国に対して損害賠償を求めていた事件において、国が請求を「認諾」した、というニュースが流れました。

請求の認諾、というのは聞きなれない言葉だと思います。
正直、弁護士の仕事をしていて、請求の認諾というのを聞いたことはありません。
請求の認諾というのは(ニュース番組で報道されていることではありますが)、相手方からの請求を認め、争わない、という意味です。

今回の事件でいえば、赤木さんの自殺については国に責任があることを認め、赤木さんの奥様が請求されている金額の国家賠償責任があるので、その金額を赤木さんの奥様に対して支払う、という意味になります。

通常、訴訟に至る場合はそれぞれの言い分があるので、訴訟提起をされた場合には「請求の棄却を求める。」という内容の答弁書を提出して、原告の請求原因事実に対して、どこが正しい、どこが間違っている、といった認否を行うことになります。

明らかに原告の請求が正しい場合(例えば、借りたお金を返していないようなとき)には、通常訴訟提起前に和解してしまいますので、今回の事件のように請求の認諾を行うことはないのです。もちろん、訴訟提起前にどのような交渉がなされていたのかは我々からは分かりませんが、我々が違和感を感じてしまうのはこういった理由になります。

今回の事件では請求の認諾をした以上、これ以上、国の認否などを求めることができなくなります。
訴状を見たわけではないので、何とも言えない部分はありますが、おそらくは、赤木さんの奥様が考える赤木さんが自殺するに至った経緯が主張されているはずであり、国がそれに対する認否を避けた、と考えるのが合理的でしょう。

国の考えるストーリーが提示できないのか、赤木さんの奥様の考えるストーリーを認める(あるいは否認することもできないのか)ことができないのか、その理由の正確なところはわかりませんが、ニュース等で言われているように、国が触れられたくない部分があった、と考えるのが合理的でしょう。

いずれにしても、何かしらの深い闇がありそうですし、何らかの権力が働いているのでは・・・と勘ぐってしまいますね。

訴訟では真実を明らかにすることは難しくなった、と言わざるを得ません(同じ内容の訴訟は再度提起することはできませんので)。

今後の赤木さんの奥様のご対応にも引き続き着目していきたい事案です。

 

2021年12月16日 ご執筆c様
(※ 掲載内容は、執筆当時の情報をもとにしております)

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