(抵当権者の同意の登記がある場合の賃貸借の対抗力) 【※ 本条解説へ移動する】
第387条第1項
登記をした賃貸借は、その登記前に登記をした抵当権を有するすべての者が同意をし、かつ、その同意の登記があるときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
民法 第二編 第十章 抵当権 条文一覧
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以下、解説です。
【民法387条1項解説】
抵当権が設定された後の不動産の賃借人は、原則として抵当権者やその不動産の買受人に対抗することができません。つまり、抵当権設定後の賃借人は、不動産の抵当権者や競売後の新たな所有者から立ち退きを要求されれば出ていかなくてはなりません。不動産の賃貸借と抵当権とは対抗問題の関係にあり、それぞれの登記の先後によって決定されるからです(民法177条、605条)。
しかし、常に抵当権設定後の賃借人が追い出されるとすれば、抵当権設定後の不動産を賃貸することはできず、占有を要件としない抵当権の意味が無くなってしまいます。
そこで、賃借人保護のために、次の要件を満たす限り抵当権者や競売の買受人に対抗することができると規定されています。
①.賃貸借について登記していること
②.賃貸借の登記前に登記された抵当権を有するすべての者が同意をしていること
③.同意していることの登記があること
④.同意によって不利益を受ける利害関係者の承諾を得ること(民法387条2項)
本項の要件を満たさず、対抗することができない賃借人の保護については、民法395条1項に規定があります。
2021年12月22日 ご執筆U様
(※ 解説内容は、執筆当時の情報をもとにしております)