弁護士コル先生の『ためなる』コラム ~その23~

判例の重要性とは


裁判所に事件が持ち込まれ、訴訟手続に入り、途中で和解が成立しない場合、最終的に裁判所による判決が出されます。
判決は、主文と判決理由で構成されています。
「判例」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。しかし、判決のすべてが「判例」かというと、そのようなことはありません。
「判例」とは一般的には最高裁判所による判決のことをいいます。日本の裁判は三審制ですので一般的な民事事件であれば
①地方裁判所(簡易裁判所)
  ↓控訴
②高等裁判所(地方裁判所)
  ↓上告
③最高裁判所

という経過をたどります。その最上級に位置する最高裁判所(簡易裁判所からの事件であれば高等裁判所)の判決が「判例」となり、先例として非常に重要な価値を持つことになります。
基本的に、判例の結論には同種の事件は拘束されることになります。判例を変更できるのは最高裁判所であり、その場合には大法廷といって、最高裁判所の判事15人が集う法廷で判決が出されることになっています。

それだけ先例としての拘束性が強いものですので、我々も事件を受ける際には、似たような事件、似たような争点についての判断がされている事件がないかは必ず確認します(判例違反の主張をしても実際のところ、裁判所の判断が拘束されるので基本的に無理筋の主張になってしまうので、それを避ける必要があるためです)。

地方裁判所・簡易裁判所・高等裁判所の判決は基本的に「裁判例」と呼ばれ、特に高等裁判所の判断については事例が似ているのであれば十分参考に値するものとなります。
もっとも、地方裁判所や高等裁判所の判断は、基本的に事件個々の事情をくみ取った事情判断であることが多いので、もちろんないよりはあった方が良いですし、参考にしますが、判例や高等裁判所の判断程に価値が大きいとまではいえません。

具体的に判例を検索するには
●裁判所のホームページ
  か
●判例検索ソフト(有料)
を使うことがほとんどです。

裁判所のホームページは無料で判例や裁判例の検索を行うことができますが、残念ながら収録されている数が少ない上、判例タイムスなどの法律雑誌に書かれている評釈を参照することができません。

多くの法律事務所は「判例秘書」や「West Law」といった判例検索ソフトを使用しており、これで検索をかけることになります。
このリサーチ業務も弁護士の業務としては事件の行く末を左右する可能性があるので、非常に重要な業務の一つといえます。

紙媒体の判例百選や重要判例解説といった本も出版されていますので、興味があれば一度手に取ってみてはいかがでしょうか。気になっている事例の判断がそこになされているかもしれません。

 

2021年12月28日 ご執筆c様
(※ 掲載内容は、執筆当時の情報をもとにしております)

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