民法 第112条第1項


(代理権消滅後の表見代理等) ※ 本条解説へ移動する
第112条第1項

 他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。

民法 第一編 第五章 法律行為 条文一覧








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以下、解説です。


【民法112条1項解説】

民法110条と同様に代理権は与えていた場面ですが、代理権が消滅した後に代理人が第三者との間で当初あった代理権の範囲内の行為をしてしまった場合です。
代理権は消滅しているため本来は無権代理行為(民法113条1項)となるはずですが、「代理権の消滅の事実」について第三者が善意無過失である場合には、外観を信じた第三者を保護し、本人に効果帰属します。
本項の趣旨は、代理権が消滅したかどうかは、第三者からは分かりづらく、もともとあった代理権の外観を信じて取引きしてしまった第三者を保護するというものです。
なお、もともとあった代理権の範囲外の行為をしてしまった場合には、112条2項が適用されます。

 

2021年5月7日 ご執筆U様
(※ 解説内容は、執筆当時の情報をもとにしております)

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