(錯誤) 【※ 本条解説へ移動する】
第95条第2項
前項第二号の規定による意思表示の取消しは、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り、することができる。
民法 第一編 第五章 法律行為 条文一覧
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以下、解説です。
【民法95条2項解説】
95条1項2号に記載されている動機の錯誤を取り消すことができる場合についての要件が規定されています。動機の錯誤とは、意思表示を形成する過程に錯誤があった場合です。
錯誤は、本来は意思と表示の不一致のことをいいます。したがって、「Aという土地は将来値上がりすると思ったから、Aという土地を購入しようと思い、Aという土地を購入した」というように購入しようと思ったという意思と購入したという表示の間に不一致がないため、保護の対象となりません。しかし、例外的に「Aという土地は将来値上がりすると思った」という動機の部分が法律行為の基礎とされていることが表示されていた場合には、取り消すことができるとされています。
「その事情が法律行為の基礎とされている」とは、その事情があるから法律行為が行われたといえるような事情です。
「表示」とは、動機を明示的に表示した場合の他、黙示的に表示されていた場合も含むとされています。
黙示的な動機の表示とは、将来的にリゾート開発により地価が値上がりするとのセールストークを受けて土地の購入を決意したような場合です。
当事者間で、値上がりすることが意思表示の内容の主要な部分となっており、その事情がなければ土地を購入することがなかったことが外部から見ても明らかな場合には、黙示的にも動機が表示されているといえます。
2021年2月22日 ご執筆U様
(※ 解説内容は、執筆当時の情報をもとにしております)
意志の表示と表示の不一致という形から外れてしまった場合はどうなるのか?
そのような錯誤を理解する上で必須となる「動機の錯誤」について、分かりやすい解説がされています。
また表示と言うと明示的なイメージを抱きがちですが、黙示的なものも存在するというポイントもしっかりと抑えられていると思います。